火急、鬼滅の刃を入手せよ。
今朝、ぼくの元に天命が下された。
鬼滅の刃コミックスを入手せよ。
巷で流行っているのは知っていた。
かく言うぼくも実は、鬼滅の刃はマンガとアニメの両方それぞれを既読、観覧済み。
(コミックスは持っていないが)
ぼくはアニメから入ったのだが、その作画のレベルの高さに感動したものだった。
見ていて胸が熱くなり、気に入ったシーンは、録画で何度も見返した。
美容師であり、職人の端くれでもあるぼくが、アニメーターという同じく職人さんたちの素晴らしい仕事のクオリティに感動したのだ。
同じプロフェショナルとして感銘を受けた作品だ。
もちろん、アニメは原作というありきのもので、作画だけではなく物語性やキャラの魅力というものもあるのだと思う。
実際に、物語にも引き込まれてもいた。
ただ、ハマったきっかけがアニメのハイレベルのクオリティだった。
どうやら、この鬼滅の刃は、小学生の間でも流行っているらしい。
小学生にはちょっとグロテスクではないだろうか、と個人的には思うのだが、そういったことは大人が余計な口出しをするべきではないだろう。
当人たちが良いと思うものは、それで良いのだ。
自分の物差しだけで物事を決めつけることもない。
そもそも鬼滅の刃は少年ジャンプでの連載だから、小学生が読むこと自体はむしろ、少年ジャンプの集英社としては、メインターゲットそのままになるのかもしれない。
嫁さん(※)に、何か欲しいものはないかと連絡をした際に、長女がアニメ版の鬼滅の刃の続きが気になっているとのことだった。
※厳密に言えば元嫁なのだが、元通りなる予定(個人的願望)なのだから、嫁さん表記。
長女は原作の方も何冊か読み進めているらしい。
彼女の小学校でも大流行のよう。
コロナが流行るより、何千倍もよろしい。
さて、長女の鬼滅ハマりの話を聞いたぼくはもう、じっとしてはいられない。
もう、パパ大人買いしちゃうぜと、気勢をあげている次第。
そして、ひらめいた。
買って手元に置いておけば、長女は早く読みたいと、札幌来訪を強く望むかもしれない。
我ながら策士。
実際、今はこちらに来れないが、早く行きたいという気持ちが高まれば、それがパパに会いたいという気持ちに変換されないかしら、あながちない話ではないだろう。
恋愛における心理的効果、つり橋効果というものがあるが、それのように、札幌に来た際に鬼滅を読めることが嬉しすぎて、パパに会ったのが嬉しいと勘違いしてくれないだろうか。
そんな妄想をしつつ、ぼくは鬼滅の刃の全巻入手を強く心に誓ったのである。
入手次第あちらに送ってやるつもりだ。
だがそれを出しに、長女を釣ることはしないだろう。
ぼくは小者ではあるが、子供相手に姑息な真似を使うほどの小者ではない。
あの子が喜んでくれるならば、なんだってしてやるつもりである。
何がどう変わろうと、例え世界がひっくり返ったとしても、やっぱりぼくはあの子たちが大好きなのだ。
あ、なんか涙出てきそう。
武田
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