枯れ草と枯れ男。
アイビーちゃんが枯れた。何故だろうか。
アイビーだけは(自分が携わった、少なくはない数の、ある程度の観葉植物の中で)まともに育てることができない。
他の子たちは元気に育っているのに。
あの頃はよかった。。。 みんなが元気だった。
この枯れ草の物悲しさが、哀愁を誘い案外良い雰囲気の写真に仕上がって見えるのがせめてもの救い。
そして、この子に何かシンパシーを感じる。
自分もこれくらいの哀愁が漂っていてもいいのではないだろうか。
人生の酸いも甘い経験済み(それなりに)の中年男に漂うあれがあってよいのではなかろうか。
この背中に哀しみを背負い、それを見た素敵女子が
「なんかほっとけないんです。」
とか言って、優しくお声かけくれないだろうか。(丁重にお断りしますが)
こういったもののシュチュエーションは静かなBARでしか考えられない。
広過ぎもなく狭過ぎもない店内、平日で客は少ない。
皆1人もしくは2人で来店しているようで、話し声もまばら。
その話し声も、まるでそれが遵守すべき約束事のように皆、静かな声を出す。
そのBARの隅の席で、入り口に背を向け、1人、ウイスキーグラスを傾ける武田。
(ウイスキー飲めない)
そこにたまたま来店した、1人の妙齢の女性。
(背が小さくて、メガネの似合う女性、そして声が可愛い)
「いらっしゃいませ、お好きなお席へどうぞ。」
店員が控えな声で、女性に言った。
軽めの会釈でそれに応えた女性は、店を見回して、奥の隅の席で、哀愁漂う中年男の背中を見つけ、彼女は胸に微かな痛みのような感覚を覚える。
その痛みは、自らの痛みではなく、人の抱えた痛みを敏感に感じとる彼女の感受性の豊かさに起因する物で、胸を締め付けるような軽い痛みは恋を覚えたばかりの少女の頃の気持ちを、彼女に思い出させる。
「あの人、何か少し気になるな。。。」
そう思いながら、女性は、中年男の背中が見える席についた。
「大きな背中。でも見ていて少し不安。あの人は何か悲しいことがあったのかもしれない。」
やがて、注文した軽めのカクテルを一口飲み、女性は思い切って席を立つ。
その目は、背に悲しみを漂わせた男の方を見つめたまま。。。
おっと妄想が過ぎた。(妄想厨&設定厨)
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新北海道スタイルに則って、気をつけながらやっております。
髪を切って、人生上向きスタイルでいきましょうか。
枯れてこそ渋みや滋味が出るってものよ。
6月もありがとうございました。7月もよろしくお願いします。
武田
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